ケースで差をつける方法
ケースにおいて差がつくポイントは、課題の深堀です。解決策そのものに奇をてらうことは難しく、かつ納得感も得られづらいです。ビジネスの基本として、なぜその課題に着目したのか語れると、納得感を得やすいと思います。
お題
「八百屋さんの1年間の売り上げを上げる方法を考えてください。仮定は適宜自分で置いていただいてかまいません」
では、こちらも10分程度考えていただければと思います。
解答例(トークスクリプト)
①一言結論 顧客単価の向上を目的とし、35歳の女性主婦層をターゲットとし、家事の負荷低減のために、野菜セット売り策or調理済み野菜セットの提案をします。
②全体構成: 話の進め方ですが、1.着目する売上要素の決定、2.ターゲットとなるお客さんの選定、3.そのお客さんの困りごと、4.どんな競合がいるか、また競合に対し八百屋のどんな強みで対抗できるか、5.対策案で答えます。
③着目する売上要素 ですが、単価としました。どれだけ伸び代があるか、という視点で考えると、動かしがたい世帯数や買い物ルートを変えてもらうより、既存のお客さんに高単価商品を購入いただく事がよいと考えたからです。(なおここで、八百屋率を上げるために新規のお客さんの獲得に行くパターンでもよい。(単価を選んだ理由)「例えば単身者を対象として、八百屋率を上げる~~も考えられますが、今回はこちらを選びました。」と切り抜けられるようにする。)
④ターゲット層の選定 ですが、35歳の子持ち主婦層としました。これは八百屋の性質を考えると、健康や品質の意識が高い子持ちお母さん、またボリュームが大きい事からも選定しました。
⑤どんな困りごとがあるか ですが、日々の料理の中で、野菜を腐らせてしまうフラストレーションがあるかと思います。本当は、無駄なく野菜を使い切りたいのに、日々の育児やパートの忙しさで腐らせてしまうという困りごとがあるともいます。
⑥競合と、八百屋のどんな強みが生かせるか 競合はスーパー等が考えられますが、画一的なパッケージで大量販売のみに対応し、個別最適なアプローチは困難です。一方で八百屋は限られた範囲、顔の見える範囲での地域密着的な対応が強みです。
⑦対策案の具体化 対策をまとめますと、2つです。1つは、野菜の個人最適セット売りです。当日の在庫状況などで足の速さを加味して20%の単価で販売しても、廃棄量を考えると十分称賛があるのではないかと考えます。2つ目は、個別の野菜カット・下処理サービスです。野菜料理の手間は、主にヘタを取ったりの作業だからであり、高価格帯の商品が売れやすくなるからです。
以上2点の対策を提案したいと思います。
解説
③着目する売上要素 は、数量/単価どちらでも構わないのですが、個人的には、フェルミ推定においては単価の方が説明しやすいと考えています。なぜなら、数量を変えるためには「人間の行動を変える」ことが必要になりますが、得てしてハードルが高い場合が多いです。(例:イオンで購入する層を八百屋に誘導するために、広告を。。。。 ちょっと苦しい気がしますよね。)すでに購入してくれている人から、付加価値をつけて+10%とするのは、感覚的に十分可能と思います。
⑤どんな困りごとがあるか、⑥競合と、八百屋のどんな強みが生かせるか は、いわゆる3C分析的なアプローチですね。Customer(顧客の困りごとに対して、)→Competitor(競合の弱みとしているポイントにはこれがあって、)→Company(そこに自社の強みをぶつけることで勝てる)という流れをすると、話に深みがでやすいですね。3Cに限らず、いわゆるフレームワークは、「人が聞いて納得しやすい順番」というものがあります。無味乾燥な整理学ではなく、スッと入ってくるストーリーまで踏み込めると、フレームワークって便利ですよね。
ご参考になれば幸いです。
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