フェルミ推定 問題 例 解説#1(八百屋さんの売り上げ)

コンサルの面接は、どのように突破できるか?

フェルミ推定で差をつける方法

戦略コンサルを受ける上での最初のお題である、フェルミ推定について書いていきます。

お題自体は複数パターンがあり、その場の瞬発力が求められますが、受験者はみんな勉強して臨みます。

そのなかで差がつくとしたら、僕は「しゃべり方」だと考えています。

お題

ではさっそく、非常にベーシックな「八百屋さんの1年間の売り上げを推定してください。仮定は適宜自分で置いていただいてかまいません」でお願いします。

制限時間は、10分使ってOKです。

まずはぜひ自分で解いてみてください。

解答例

ではさっそく、解答例を以下に示したいと思います。

①結論 八百屋さんの年間売上を4800万円(or日当たり20万円)としました。
②前提の設定 イメージを具体化するため、愛知県のXX市に商店街にある八百屋さんを想定して計算しました。また町の八百屋さんであるため、基本は近辺の地元客が中心のお店として進めます。レストラン等への卸は加味していません。また、月あたりで算出しています。
③説明の流れ 売上の要素分解を行い、それぞれの値とその根拠、最後に妥当性の確認の3つ順番で説明してまいります。
④売上の要素分解 3段にわけて分解しています。1つ目は、年間売上=日当たりの売上×営業日(300日,週に1回休業日がある)。このうち、日当たりの売上については、日当たりの売上=日当たりの野菜販売量[g]×単価[円/g]と分けました。次に野菜販売量については、野菜販売量[g]=八百屋さんに通える圏内の世帯数[人]×1人当たりの野菜摂取量[g/人]×八百屋さんでの購入率[%](vs スーパー)と考えました。これは、八百屋は個人ではなく、世帯ごとの買い物形態であること、八百屋に来るのは、車で遠方から来る場合、地域付近から来る場合等が考えられますが、圧倒的に付近地域からのお客さんが多い事、次に野菜の数え方ですが、人間が1人当たり1日に摂取する野菜量はある程度決まっている事からこちらの単位を選定しました。
⑤値と根拠 上から値とその根拠を説明していきます。まず2段目の単価ですが、1.2円/gとしました。これはトマト200円/200g, 白菜400g/200円,きのこ100円/100gと重いもの・軽いもので計算しました。次に、3段目の分解についてですが、世帯のライフスタイルによって大きく値が変わると考えました。計算の方法については表をイメージして、横軸が客層:A.一人暮らし・B.親子三人世帯・C.シニア2人世帯です。縦軸については先ほどの分解の通り、縦軸世帯数×1人当たりの野菜摂取量×八百屋さんでの購入率 の3×3×表での場合分けをしていきます。まず八百屋さんに通える世帯数ですが、A.4000世帯・B.8000世帯・C.4000世帯としました。八百屋の形態を考えると、近距離のお客さんと密着での商売を行う場合が多いと考え、徒歩2km圏内の面積÷家の密度で計算し、A/B/C世帯の比率を仮に1:2:1として計算しました。次に一人あたりの野菜摂取量ですが、A.300g, B.400g, C.500gとしました。野菜への嗜好度の高さで傾斜をつけ。最後に、八百屋の利用率ですが、こちらも、A.10%, B.20%, C.30%として計算しました。八百屋に通う時間的余裕で傾斜をつけています
⑥漏れのチェック なお、漏れが無いか少し考えなおすと、今回は一人暮らしの世帯を対象外として計算しましたが、ボリューム・比率を加味してラフに計算すると、(商用用途は約1.2倍程度あると考えると)最後の売上への感度は10%程度と上振れすると考えられます。
(場合によっては)⑦将来2025年の売上全体として、最大10%程度減少すると思います。それぞれの要素を見ていくと、XXX
⑧検算 日当たりの売上にフォーカスしてみますと、昔アルバイトしていたサイゼリヤが20万円/dayでした。レストランより規模が小さい事もあるので、それより少し休めの売上である事から妥当であると考えました。(もしくは、八百屋さんにどれだけお客さんが滞在しているか?をベースとして考えると、5人来客×2回転/hr×10hr×2000円=20万円であることから妥当と考えられます。)

解説

まず、②前提の設定が非常に大切です。

10分という短時間かつデータがない中で説明できるように、セグメントを先に切ることが重要です。母集団をいかにリーズナブルな数に落とし込めるかで、その後の割合の定義の納得感が変わってきます。

このとき、母集団を大きくすると、八百屋率の感度が高くなりすぎる。なるべく前提条件でお客さんの層などを絞り込み、八百屋率などの調べにくい項目の感度を減らす回答をすることがポイントです。

⑥漏れのチェックでは、たいてい、ニッチな抜け(法人・学校需要や、緊急時用途など)・複雑な場合分け・設定しにくい値の設定をトラップとして用意し、それを越えてくるかどうかを見るようにしているはず。最悪誘導に乗れれば良いので通常に解き切る事に集中するが、早めに終わったら、検算・意図を探しに行く思考が必要となります。

⑧検算ですが、これができれば「安心して仕事を任せられる感」があります。ここも差が付くポイントと考えています。

あと、意外と差がつくポイントは、③説明の流れを入れることです。これらの説明には5分程度は要すると思いますが、全体像を把握しない状況で聞き続けるのはかなり苦痛です。(皆さんもご経験あるとおもいます)

個人的な意見ですが、コンサルを受けるようなレベル人でロジカルさに差はなく、「ロジカルっぽいしゃべり方」ができるかどうかで差がついていると考えています。

ご参考になれば幸いです。


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